加害者側の示談とは

こんにちは。調査員のともにゃんです。
このページでは「交通事故の加害者側が支払う示談金の相場」について調査した結果を報告しています。
加害者が支払う示談金の相場は!?
示談金とは、示談が成立する際に支払ったお金をいう。示談とは、当事者間の債権債務関係を清算する行為をいい、通常は、損害賠償金全額が支払われることを前提に成立することが多い。
もっとも、当事者の事情によっては、法律的に認められる損害賠償金よりも、示談金が安くなるケース、示談金が高くなるケースがある。
交通事故の加害者の場合は、対人無制限の自動車保険に加入している限り、示談金の金額はあまり気にする必要はない。実際に示談金を支払うのは、加害者ではなく保険会社だからだ。
自動車保険に加入していなかった場合は、示談金の金額は大きな問題だ。
無保険の場合は自分で示談金を支払うことになるので、「示談金を安くしたい」という気持ちがある反面、刑事処罰を軽くする観点からは、「相場より多めに支払ってでも確実に示談を成立させたい」いう気持ちがあるかもしれない。
両者のバランスをとって上手に示談を成立させることが大切だ。
慰謝料の金額や、逸失利益の金額は、裁判実務で固まった一定の計算式を用いて算出される。
例えば、逸失利益に関しては、本人の年間収入額から年間生活費を差し引き、それにライプニッツ係数をかけて算出することになっている。
35歳独身男性で年収が600万円だった場合は、4740万円程度の逸失利益が見込まれ、これに慰謝料等を加えた7000〜7500万円程度が損害賠償額になる。
交通事故の加害者としては、民事裁判になれば、これらの損害について賠償義務を負うことになるので大変だ。
自動車保険に加入していなかった場合は、弁護士をつけない限り、この点について自分で被害者対応していく必要がある。
この点、保険に入っていなくても、弁護士をつければ、示談金が適正額におさまるように弁護士の方で活動し、民事裁判をストップできるケースも多い。
財産的損害 | 積極損害 | 治療費 |
---|---|---|
交通費 | ||
葬儀費用 | ||
車両修繕費 | ||
消極損害 | 休業損害 | |
逸失利益 | ||
休車補償 | ||
精神的損害 | 入通院慰謝料 | |
後遺障害慰謝料 | ||
死亡慰謝料 |
示談金が相場よりも高くなる場合は!?
示談は、当事者間で話し合いがまとまった場合に成立する。そのため、相場からかけ離れた金額で当事者が合意すれば、示談金が相場よりも高くても、法律的に有効な示談が成立することになる。
交通事故の加害者の場合は、トラブルの流れ次第で、示談金が相場よりも高くなるケースがある。
交通事故の加害者は、傷害・死亡事件の加害者であり、法律的には「刑事事件の被疑者・被告人」として取り扱われている関係で、示談の話し合いにおいても立場的に弱いことが多いからだ。
特に、死亡事故や危険運転のケースは、その後に刑事裁判が予定されているので、加害者は示談の話し合いにおいて弱い立場にある。
このように、示談金の金額は、損害賠償の額のみならず、被害者の処罰感情や加害者の処罰を免れたい感情によっても大きく左右される。
民事のみ | 刑事+民事 | |
---|---|---|
損害賠償金 | 同一 | 同一 |
示談金 | 同一 | 高くなる傾向 |
示談金を多めに支払うメリットは!?
検察官や裁判所に提出するための嘆願書を取得したい場合や、諸々の事情により早く確実に示談を成立させたい場合は、あえて多めの示談金を支払うというのも一つの選択だ。
被害者から「加害者を許します」と書かれた嘆願書を取得することができれば、刑事手続において、加害者に有利に考慮される。
今回の事故がまだ捜査段階であれば、嘆願書の取得や示談の成立により、不起訴処分となり前科がつかない可能性が高まる。前科がつかないメリットは、その後の人生を考えれば大きなものがある。
また、交通事故が起訴されて刑事裁判になった段階であっても、嘆願書の取得や示談の成立により、執行猶予となり刑務所に入らずに済む可能性が高まる。交通刑務所での生活を思えば、あえて多めの示談金を支払うのも一つだろう。
嘆願書あり | 嘆願書なし | |
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捜査段階 | 不起訴の可能性が高まる | 厳罰 |
裁判段階 | 執行猶予の可能性が高まる | 厳罰 |